概要
古民家一棟貸し宿のお庭に新たに計画した農作業小屋プロジェクトです。

宿はゆったりした環境と季節・来客に応じて提供されるジビエ料理とオーナーのおもてなしが特徴ですが、連泊して過ごされるお客様が庭の野菜や果物を収穫したり、自ら購入された肉や魚を保管したり、お客様が主体的に過ごすことを支援する構想をオーナーが描いてました。

限られた予算でこだわりながら進める必要があった事から、林業が盛んで山に囲まれた地域の特性を活かす方針とし、地場の丸太を仕入れて製材し、小屋を一件建てるところまで一括で行える工務店とタッグを組み、その上で建具や仕上げなどは別途発注する、オーナーの分離発注で計画が進められました。

小屋の設計は、建物が樹木の間を縫うようにくの字平面になっており、広い軒先に出られる扉や、幅広のカウンターと共に開放できる出窓、屋根に出られるロフト窓、風景を切り取るスリット窓や小窓を介して内と庭がつながりを持てる、親密な存在としての建築を計画しました。

そこに、工務店によって刻まれた建物の大きさに対して立派すぎる丸太の柱や梁、木材がふんだんに使われ、オーナーの好みで集められた味わいある調度品が融合する形で、小屋が完成しました。

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