50m2のマンション生活


① 玄関から見る

② 和室

③ DK



都内の中古分譲マンションの一室(約50m2)を、


全面改修するプロジェクトが始まりました。




通常、こういった中古マンションは、


売り手である不動産屋さんから依頼を受けた内装工事屋さんによって、



クロスの張替え


古くなった畳をフローリングに変更


キッチンやお風呂・便器の取り換え


空調機器やガス給湯器の取り換え


窓ガラスのクリーニング


などの工事が行われた後に


リフォーム完了物件として販売される。


という形が取られています。





見た目にはキレイになった状態のものが販売されているわけですが、



根本的な骨組や間取りといった部分に関しては、


当時(40年以上前)計画されたものが、


一部の間仕切壁を取り払ってリビングを広くした。くらいの更新で、


基本的には40年以上前に、当時の生活を前提に考案されたものが踏襲されているのが通常です。




言い換えれば、


一昔前の、みんなが同じ方向に幸せな生活を見ていた時代に考案されたプランを踏襲して、


そこになるだけ安く、「楽に」売れる状態をつくって、販売する


というビジネスが無限ループされている状況。




中古マンションを、


土地を買うように、買い手が購入して、


それを買い手が自由に改装したり、


建築家に間取り変更やインテリア全体の設計監理を依頼したり


する可能性はいくらでもあると思いますし、



そうすることで、より多様な住まいの形と価値が広がって


マンション内に新陳代謝が起こり、


ひいては、それが地域社会での価値の多様さの浸透につながっていく


にも関わらず、なかなかそうなりません。



多様であることは、


これからの私たちにとってのテーマだと思いますし、


多様性に溢れた社会はとても豊かなものだと思うのですが、


ビジネスと慣習が関わってくる現場では、多様さは厄介者扱い。


そんな状況にやり切れなさを感じていました。




そんな状況が少しずつ変わり始めたのか、


今回のクライアント(不動産屋さん)は、


全面的にプランニングを見直す提案をすること、


少々費用は増えても、実際にそこに住む感覚を大切にした材料を選定すること、


自宅で過ごす事が見直されているウィズコロナの時代における生活をイメージすること


を求めていました。



私たちも共感するところが多く、


感じていた問題意識を考える機会になるプロジェクトとなっています。