CONCEPT

​多中心の建築

私たちの最近の活動の主軸は、異なるものが共に輝くことをどう実現させるか。という興味に基づいています。

「異なる2つの関係」を考える際、つなげる、重ねる、放置する、折り合いをつける、ひとつになる形を探す、第3の対象を間に入れて取り持つ、何か仮のシンボルをたてて一体感を醸成する、など、身近な人間関係に置き換えても、まちづくりや地域づくりにおいても、私たちの身の回りには様々な「関係のかたち」が存在します。

 

私たちは、さまざまな主体が場所を共有する「建築」の設計において、そういった「関係のかたちを空間化」し、異なるひと・人々が共に輝くあり方を模索しています。

ひとりひとりに可能性が開かれる情報化社会と、違いを尊重する多様性の時代において、私たちは、建築設計・空間デザインの専門性を武器としながら、異なるものが共に輝く「多中心の建築」を実践していきます。

 

01 シェアハウス

2017年に新築のシェアハウスを設計し、2018年からそのシェアハウスの運営管理に携わっています。より広いリビングやキッチン、水回りを利用できることや、交流することに興味を示す人などを中心に住まいの選択肢として定着しています。

私たちは運営管理の経験から、国籍や性別も違えば、住むことになった経緯もそれぞれ異なる人たちが共に住まう際に起こる多くの良い点も、解決すべき問題も感じてきました。それによって私たちは、問題の起こりにくい管理方法を知りつつありますが、一方で、異なる者同士が妥協やルール設定によって1つの方向に収束するのではなく、異なる者同士がより自由にふるまえ、より長く共存して生活することができる状況をまだまだ生み出せるのではないかと感じ始めました。シェアハウスはもちろん、住宅づくりや複合施設、まちづくりなどにおいてもそういった考え方は有効になるのではないかと考えています。

運営中の「中野のシェアハウス」@東京都

一体感とひとりになれる場所が共存する1000坪の丘を内包したシェアハウス構想

02 三角形敷地のプロジェクト

2017年夏,100㎡程の三角形の土地に収益物件を計画する依頼を受けました。検討を重ねた末、各階80㎡弱のフロアは、敷地の特異な形状を活かす三角形の外形から空間化され、内部は面積以上の広がりを感じます。オーナーはここを生活拠点とし、リスクを分散しながら副収入を得られる運営方法を見出し、1階飲食店、2階賃貸住宅(2戸)、3階オーナー住居(3LDK)、4階宿泊スペースとした小さな複合施設を計画するに至りました。

ここから得た知見は、この特徴的な敷地に一般的な間取りをなんとか納めて「よく頑張った計画」を行うよりも、特徴を伸ばして空間化したことで、私たちも気づかなかった程、自然でのびのびとした空間が生まれたこと、またそのことをきっかけにオーナーがこの空間の使い方を見出すに至ったことです。

​収益物件の計画の際は、リスクの有無が検討されますが、私たちはリスクを超える期待を共有できるよう、計画を行っていきます。

三角形敷地に計画した「まちなかのホテル」プロジェクト@東京都

03 東京ダブルルーム

都心のマンションの一室、18㎡程のワンルーム賃貸住戸を全面改修する設計監理に関わる機会がありました。物理的な狭さは変えられない状況だったので、心理的な「狭さ」を、「長さ」・「明るさ」といった感じ方に転換する方策を検討、その方策からワンルームを2つで1つの空間(ダブルルーム)に変換する改修を行いました。その部屋は現在「2人で住みたい」と見出してくれたカップルによって住まわれています。

 

 

多様な生き方が許容されてきた昨今において、一般化された間取りによって作られてきたマンションや共同住宅を改修する必要性は大いにあると考えられ、私たちは新築の設計監理同様、改修の設計監理にもエネルギーをかけていきたいと考えています。

 

 

18㎡ワンルームマンションの改修「東京ダブルルーム」Before(下)After(上)